中国14億の市場は幻想にすぎない①
世界の見方や世の中の流れを考える場合、人類の歴史を振り返ることは非常に重要なことです。
人間の社会や科学技術は進歩しても、人間の本質は、少なくとも、ここ数百年の間では、基本的にあまり変わっていません。 ですので、人間の歴史は形を変えて繰り返されるのです。 これが、「歴史は繰り返される」とする言葉の本質です。世の中の出来事は、基本的に千差万別ですから、形を変えて本質的に同じことが繰り返されるのです。
例えば、Profileの「挨拶に代えて」でも言及しましたが、経済史を振り返れば、景気が過熱すると必ずバブルが発生しています。 1630年代にオランダで発生したチューリップ狂、1720年にイギリスで発生した南海泡沫事件、 1930年代に発生した世界恐慌、1990年代に発生した日本のバブル経済の崩壊。
バブルとはまさに泡であり実体がないものです。 なぜ実体がない、実質的な価値がない、にも拘わらず投機熱が発生するかと言えば、そこには人間の欲望があるからに他なりません。
そして、日本のバブル経済の崩壊と同じ轍は踏まない、とした中国でも2021年以降不動産バブルの崩壊局面に入っています。
この点、中国には14億人以上の人口があり、需要が供給を吸収するのでバブルは発生しない、という説もありました。
しかし、経済史を適切に振り返ることが出来ていれば、このような発想には至りません。 中国の富裕層は資産100万米ドル以上で約600万人、中間所得層も合わせると4億人程度と言われていますが、中間所得層はこれ以上は劇的には増えない、と想定されるからです。